「───す…き」


短いけれど、それは最高の2文字。


鼻をズルズルとさせているヒナの涙声は、聞いていると…なんだかイジメたくなってくる。


「えっ 聞こえなかった」


「うそ!?」


「もう1回 言ってくれる?」


意地悪をしてでも、お前の口から…何度も聞きたくなる。


その言葉だけで


もう 何もいらないって思えるから。



「───だい…すき」



大きな瞳は俺の目を見つめ、ますます潤みはじめる。


「ダイ…ちゃん」


「ヒナ……」


その瞳の奥に引き込まれるように、俺は自分の顔を近づけ…キスしようとした。