「こんばんは ヒナちゃん」


「……こんばんは」


先生とは あれ以来、ぎこちない会話がまだ続いている。


「また 彼と何かあった?」


さっきまで 泣いていた真っ赤な目を先生に見られたくなくて


先生の方を見ずに参考書を開いていると、心配そうな声が耳に届く。



───先生…お願いだから



これ以上 あたしの心の中に入ってこないで?