アキラ先生が こっちに向かって…ゆっくりと近づいて来る。


「ヒナちゃん、どうしたの?」


慌てて眼尻に溜まっていた涙を指で拭った。


「先生こそ なんで…ここに?」


「オレはヒナちゃんの家に行く途中で…」


「あっ」


あたしのビックリした声に目尻を下げ微笑む先生。


ポケットからケータイを取り出してみると


【20:50】


もうすぐ いつも先生が来る時間が来ようとしていた。


「ゴメンなさい。急いで帰らなきゃ…」


「あっ 待って!」


ブランコから立ち上がろうすると、先生の言葉にストップさせられた。


「今日ぐらい…サボっちゃおうか?オレ…サボりたくなったかも」