「こんなのやだぁ……」



────ポロ…ポロッ…



その声に気づき…顔を上げると、ヒナの頬に涙が流れていた。


まつ毛まで濡らした目で、ヒナは俺の顔をしっかりと見つめ



「こんな…ダイちゃん キライ!」



俺の胸をドンと突き飛ばし…切れたチェーンと指輪を握りしめると、部屋から出て行く。


その姿を見て、俺は拳でマットを思いきり叩いた。


「こんなこと…したくなかったのに」



───サイテーだ…俺。