ヒナが 帰った後、1人で部屋に戻った俺は
「はぁ…つまんねぇ」
ソファーに座り、テレビをつけ それをボーッと見ていた。
同じ部屋で いつもと同じことをしているのに、アイツが ここに居ないだけで全然ちがう。
とにかく つまらなくて。
4時を過ぎた頃…ブルル~ ブルル~
テーブルの上でケータイが震えた。
大慌てで それを見ると
浴衣を着たヒナがピースサインをして、思いっきり笑ってる。
それは きっと俺に1番に見せてくれた浴衣姿で
そう思うと すげぇ嬉しくて…
「──マジで 心配なんだけど。声かけられても…全部シカトしろよな」
何度も同じことを呟きながら、ずっと…バカみたいにヒナの浴衣姿を目に焼きつけていた。