[ ダイ:side ]


ヒナを家まで送り届けるまで


車内の中…ずっと ヒナの手を握っていた。



何かの虫の知らせか──・・・



嫌な予感がしてたまらなかったんだ。


ギュッと握る手に力を込めると、ヒナもそれに合わせてギュッと返してくれる。


そんなことを何度も繰り返し…他愛もない話をしているうちに、車はヒナの家に到着した。


「ダイちゃん、ありがとう。またね」


いつもと何ら変わらない行動なんだけど、小さな背中を向けられた瞬間


俺はヒナの右手を握って…もう1度


「絶対に遅くなんなよ?帰ったら すぐに俺に連絡するんだぞ!」


そう告げていた。


「うん。わかってる」


俺の目を見て、確かにアイツは…あの時こう言った。



───でも ヒナは…