離れ離れになっていた…10年間。


俺の心の中にいた…ヒナの存在と


ヒナの心の中にいた…俺の存在。



それと同じように、美樹の心の中にも俺がいたって…不思議はないのかもしれない。


それと篤人に はじめて触れられた…俺の心の中にある問題。


「聞かないなんて言いながら、思い出させやがって…篤人のヤツ」


忘れたくても…消えない父親の存在と



心にできた…消えることのない深い傷。



「絶対に忘れられない想いって…あるのかも…」


ヒナがやって来ない静かな部屋の中で1人、昔のことを思い出していた。