3人+1匹は、家に向かって歩き出す。
「神崎くん、やっぱりいいよ。私一人でさがすから。……弟さん、小さいし……迷惑かけたくない」
さのひなこの声はだんだん小さくなる。
時計を見ると、もう5時を回っている。
もう高校生とはいえ、ただでさえ背が小さくてうさぎみたいなのに
これから一人で探させるなんて絶対ダメだ。
それに……
「なーにいってるの。俺も一緒に探すよ。当たり前でしょ?」
少しでも俺のことかっこいいって思って欲しいから。
守りたいから。
「ありがとう…。神崎くん。優しいね……」
これって下心っていうのかな?
君のことを思う程
欲張りになっていく気がする。
いい自分を演じてしまう自分がいるんだ。