ドキドキドキドキ
さのひなこと話すのは初めてだ。
それに……
俺の名前、覚えててくれたんだ…。
あたたかいミルクティーみたいな甘い気持ちが広がる。
「わたしの名前、覚えててくれたんだね」
さのひなこがこっちをみてニッと笑う。
「あ…あぁ…クラスの人の名前は割と早く覚える方で」
気になる子だから特別早く覚えられただけなんだけどな……(笑)
「そっかぁ!わたし、なかなか名前覚えるの苦手で…。でも、神崎くんはイメージ通り、真っ白!って感じだからすぐ覚えたられたの」
……やばい。かわいいなおい!!!!!!!
父さん母さん、さのひなこが覚えやすい名前にしてくれてありがとう……!!!
俺は心の中で親に感謝した。
「あ…りがと」
「こちらこそっ」
「「……」」
でも、気まずい……。
出会ったばかりだから、何話したらいいかわからない……………
俺のバカ!!くずやろう!おたんこなす!!!!!このコミュ障め!!!!!!
何か話しかけようと話題を考えていたら、さのひなこが口を開いた。
「神崎…くんは、これからどこに行く予定なの?」
さのひなこと目が合った。
俺は恥ずかしくてつい目を逸らしてしまう。