お2人が揃うと、まるで天使もかくやの華やかさとまばゆさ。

たとえトイレットルームの前だろうと、後光すら射して見えます。
(単なるトイレ窓の光だけど)

銀色の猫をバスルームから出したあたしは、バスタオルで拭いながらドライヤーのコンセントを入れる。


「ゆず、また変わった猫を拾ってきたわね」


洗顔を終え、すっぴんでも美しい姉が猫に興味を持ったようだ。


「畑で埋もれてたから掘り出したんだけど」

「……ジャガイモ?」

姉は至極まっとうな事をおっしゃいました。


「けど、飼うなら責任持ってちゃんと最期まで面倒見るのよ」

真面目な顔をしたお母さんの言葉に、あたしは返事をしようと口を開いた……んだけど。


ピリッ、とした痺れに似た痛みが胸の傷辺りに走った。


……なに、この妙な疼きは。

気にはなったけど、忙しい2人を心配させたくない。銀色の猫の瞳があたしをじっと見ているのも気付かずに返事をした。

「当たり前じゃん。ちゃんと責任を持って面倒見るよ。中途半端は嫌いだから」