もう抵抗する気力なんてない。
僕は倖太の背に、両手を回していた。
繰り返されるキスに身を委ねる。

倖太の手がシャツをめくり上げて、そっと胸の突起を刺激する。


「……っ」

思わず声がもれそうになる。

「緊張してる?」
「してないッ!」
「そう。なら良かった」

ジーンズのジッパーを下げられる。
暗闇の中で心臓が跳ね上がった。

長い指が、布越しに僕に触れた。


ダメ、と言おうとしたけど、声が出ない。

「気持ちよくしてやるよ」

初めて他人の手で刺激される快感に、たまらず腰が動いてしまう。

「琴音可愛いよ」
「……恥ずかしいこと言うな……」

手の動きが激しくなったその時、着信音が響いた。