唇が離れない。


倖太の髪が、ほおにふんわりと当たる。


「……はっ……」
「琴音……。もう少し、開けて」

言われるままに口をあけると、舌先で僕の唇をなぞってくる。 


息が苦しくて、倖太の胸を押した。「……したい」と囁かれて、逆に手首を取られる。

「イヤなら止めるよ?」
「……」

「オトコ同士はイヤ?」
「……いきなり過ぎて、その……」
「琴音がホントにイヤなら止めるけど」



そっと手首を掴まれたまま、床に押し倒される。





「ホントはどうなの?」