葵が出て行って、しょうがないから着替え始めた。

「あの女あり得ねーよ、マジなんなの。」

ブツブツと文句を言いながらワイシャツを着ると、

「そんなとこも好きなくせに。」

ボソッと爆弾発言をする翠。

「うっせーな。
お前もさっさと着替えろ。」

「あれ?
否定しないんだ。笑」

蒼兄面白い、と言いながら翠も着替え始めた。

「翠はいないのかよ?」

「何が?」

「好きな奴。」

そう言うとオレの方をジッと見て、笑った。

「ひみつ。
いるけど、教えてあげない。」

ってことは、多分オレが知ってる奴?

まさか、碧とか?

それこそあり得ねーよな。

年下だし、中学生だし。

「じゃあ、朝飯食いに行くか。」

「うん。」



「遅い!
遅刻するんだけど。」

「へいへい。」

時計を見ると、8時30分。

補習は9時から。

まだ大丈夫だろ、多分。

朝飯を食い終え、準備をして家を出る。

「「いってきまーす。」」