葵が出て行って、しょうがないから着替え始めた。
「あの女あり得ねーよ、マジなんなの。」
ブツブツと文句を言いながらワイシャツを着ると、
「そんなとこも好きなくせに。」
ボソッと爆弾発言をする翠。
「うっせーな。
お前もさっさと着替えろ。」
「あれ?
否定しないんだ。笑」
蒼兄面白い、と言いながら翠も着替え始めた。
「翠はいないのかよ?」
「何が?」
「好きな奴。」
そう言うとオレの方をジッと見て、笑った。
「ひみつ。
いるけど、教えてあげない。」
ってことは、多分オレが知ってる奴?
まさか、碧とか?
それこそあり得ねーよな。
年下だし、中学生だし。
「じゃあ、朝飯食いに行くか。」
「うん。」
*
「遅い!
遅刻するんだけど。」
「へいへい。」
時計を見ると、8時30分。
補習は9時から。
まだ大丈夫だろ、多分。
朝飯を食い終え、準備をして家を出る。
「「いってきまーす。」」