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「‥というわけで、名前ある奴夏休み補習だからなー。
逃げるとか許さねーから。」
「「‥。」」
その紙には、
普通英語補習者
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特別英語補習者
1組
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2組
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3組(担当者 一条)
神崎 葵
如月 蒼
以上。
普通英語補習者は、
まとめて多目的1教室にて補習を行う。
特別英語補習者は、
各クラス教室にて担当者の指導で行う。
「「えーーーー!!」」
な、なんで!?
つーか、特別補習ってなに?
「先生!
アタシ、赤点じゃないんですけど!」
ちなみに、赤点は30点以下の事。
葵が一条に詰め寄る。
「あー、なんでも。
強いて言うなら、お前ら二人だけテスト中に寝てたかららしいけど。」
強いて言うならもなにも、それじゃねーかよ!
理由!
マジか、赤点回避したのに。
確かに、テスト中寝てたけど。
え、このクラスオレらだけ?
「諦めて学校来いよ。
あ、他のクラスにも寝てて補習の奴いるから。」
安心しろよ、と言う。
いや、安心しろじゃねーよ。
しかも、二週間も。
ありえねーよ。
「ハァ。」
「蒼、ドンマイ♪」
桜汰の奴、絶対楽しんでる。
ちょっと殺意を覚えるレベル。
「そんな怖い顔すんなよ。」
それに、
葵と二人っきりで良かったな、と小声で付け足す。
「なっ、桜汰!」
ニヤニヤする桜汰。
いつものポーカーフェイスが崩れる。
あー、今、顔赤い気がする。
「蒼、どうしたの?
顔赤いけど。」
「‥暑いだけだから。」
「ふーん。」
適当に誤魔化す。
いや、まぁ嬉しいんだけどさ。