ー昼休み
あれから蒼と口を聞いてない。
昨日は更に機嫌悪そうだったし。
来週から、もう夏休みなのに。
登校中も、何か言いたそうな顔はしてる。
でも、話しかけてこない。
あー、イライラする。
喋ると喧嘩ばっかのくせに、隣りにいないと落ち着かない。
幼なじみって、そんなもんじゃない?
お昼も4人で食べていたのに‥。
今日も、蒼と桜汰は何処かへ行ってしまった。
だから、六花と二人っきりだ。
「ハァ。」
「何、溜息ついてるの?」
「何か蒼と喧嘩?したっぽい。」
というか、蒼が不機嫌。
「いつもの事じゃん。」
「今回のは、何か違うんだよ。」
今までの経緯を六花に説明する。
あ、話してて思い出した。
そーいえば、今日の放課後呼び出されてたんだ。
完全に忘れてた。
「へー。」
何かニヤニヤしてんだけど。
「なに?」
「別に。
葵は意外と鈍いからなー。
蒼も苦労するよね。」
「?」
別にアタシ鈍くないし。
「まぁ、そのうち蒼が謝るでしょ。
で、どーすんの?」
「何が?」
「返事。
逢沢柊都に呼び出されたんでしょ?
多分、告白だよ?」
いやいや、ないでしょ。
アタシに告る程、女に困ってなさそうだし。
「もし、告白だとしても付き合わないけどね。」
「なんで?」
「んー、好きじゃないから?
よく知らない人だし。」
まぁ、好きな人もいないんだけど。
「‥葵、自分の気持ちには早く気づいた方がいいよ。
気づいてからじゃ、遅い事もあるんだからね。」
「ふーん。」
自分の気持ちってなんだろ?