あー、オレ学祭後からおかしくね?

さっきとか、テンパり過ぎだろ。

葵もあんまり突っかかってこないし。

つまんねー。

桜汰とか翠はニヤニヤしてくるし。

つーか、オレ打たれ弱いんだけど!

ガラスのハートなんだけど!

ヤバいな。

好きだって自覚した途端、頭沸いてる。

重症だわ‥。

どんだけコイツの事好きなの、オレ。

「蒼、早く教えてよ。」

あ、意識飛んでた。

「どれ?」

ココ、と指をさす。

「x=‥だから、こうなるだろ?
で、代入してtがこうなって、答え出るじゃん。」

あーあ、数学みたいに簡単に解ければいーのに。

「そっか。
ありがと。」

‥デレた。

「おう。」

「ねぇ、今度の中間の点数勝負しよ?」

「オレに勝てるとでも思ってんの?」

「余裕♪」

確かに、古典とかヤバい。

葵は数学ヤバいけど。

でも、点数的には良い勝負じゃね?

英語とかは同じくらいだし。

「オレが余裕で勝つし。
地歴は?」

「なしで。」

オレは地理Bで、葵は世界史B選択。

「負けたら、ジュース奢れよ。」

「アタシ勝ったら、アイスね。
高いやつ。」

この関係を壊したくなかった。

それはただ臆病なだけだった。

まだこの時は、[幼なじみ]でも良いと思ってた。