忙しかった学祭が終わり、梅雨も明けた。
でも、すぐ夏休みな訳はなく中間試験がある。
そんな試験が迫ったある日の事。
教室でいつものように勉強していた。
珍しく教室にはアタシ達だけだった。
アタシ、蒼、桜汰は理系。
六花だけ文系。
でも、4人で勉強する事が多い。
そんなに教科が違うわけじゃないし。
「ねぇ、ココどうやって解くの?」
「自力で解けよ。
オレは余裕でわかるけど。」
何だコイツ。
腹立つ。
いつもの事だけど。
理系のくせに、アタシは数学がちょっと苦手。
蒼は数学だけ出来る。
古典とかボロボロだし。
基本、赤点。
「もういいし。
桜汰、教えて。」
「あ、ちょっと、葵!
嘘だよ、教えてやるから!」
蒼は意地悪だけど、なんだかんだ優しい。
ヘタレだけど。
最初から教えろよって思うけど。
特に、学祭終わってから更に優しい気がする。
「おい、チビ。
さっさと解けよ。」
‥余裕でドSじゃん。
うん、気のせいだ。