ー10分後
「終わったー。」
「蒼、何か1年女子が呼んでるけど。」
チラッと扉の方を見ると、女が三人。
時間ないんだけど。
「何か用?」
「ちょっと屋上まで来てもらってもいいですか?」
告白かよ、めんどいな。
「‥いいよ、先行っててくれるかな。」
しょうがねー、化粧落としてもらうか。
女装のまま、告られてるとかカッコ悪いし?
まぁ、振るけど。
「葵、化粧落としてくんね?」
「なんで?
‥あぁ、さっき1年来てたし告白?」
「多分な。
あと、着替えるから控え室行こーぜ。」
「うん。
六花達も一緒に行こ?」
「いーよ。」
は?
なんで佐伯達も?
「4人で回ろってさっき言われたんだけど、良いよね?」
事後報告かよ。
「ん、あぁ。」
何だよ、これ。
胸の辺りがモヤモヤする。
4人で控え室に行って、化粧を落としてもらい、屋上に向かう。
*
「あの、如月先輩。
好きです、付き合ってください!」
やっぱ、告白かよ。
「ありがと。
でも、ごめんな。
モテない幼なじみが僻むから、付き合えねーわ。」
断る時にいつも言う言葉。
当たり障りないし、ちょっと笑いを含めて的な?
一応、学校ではいい子ぶってるから下手な事言えねーし。
「そうですか‥。
わかりました。」
「じゃ、オレ用事があるから。」
と、屋上を出た。
携帯を見ると、12時50分。
急いで控え室に向かった。