ー10分後

「終わったー。」

「蒼、何か1年女子が呼んでるけど。」

チラッと扉の方を見ると、女が三人。

時間ないんだけど。

「何か用?」

「ちょっと屋上まで来てもらってもいいですか?」

告白かよ、めんどいな。

「‥いいよ、先行っててくれるかな。」

しょうがねー、化粧落としてもらうか。

女装のまま、告られてるとかカッコ悪いし?

まぁ、振るけど。

「葵、化粧落としてくんね?」

「なんで?
‥あぁ、さっき1年来てたし告白?」

「多分な。
あと、着替えるから控え室行こーぜ。」

「うん。
六花達も一緒に行こ?」

「いーよ。」

は?

なんで佐伯達も?

「4人で回ろってさっき言われたんだけど、良いよね?」

事後報告かよ。

「ん、あぁ。」

何だよ、これ。

胸の辺りがモヤモヤする。

4人で控え室に行って、化粧を落としてもらい、屋上に向かう。



「あの、如月先輩。
好きです、付き合ってください!」

やっぱ、告白かよ。

「ありがと。
でも、ごめんな。
モテない幼なじみが僻むから、付き合えねーわ。」

断る時にいつも言う言葉。

当たり障りないし、ちょっと笑いを含めて的な?

一応、学校ではいい子ぶってるから下手な事言えねーし。

「そうですか‥。
わかりました。」

「じゃ、オレ用事があるから。」

と、屋上を出た。

携帯を見ると、12時50分。

急いで控え室に向かった。