何かビックリし過ぎて、怒るのも忘れた。
まぁ、蒼だし。
いっか。
「ねぇ、ネクタイの結び方教えて?」
「え?
あぁ。」
うちの学校、女子はリボンで男子はネクタイ。
中学校は、セーラー服だったし。
したがって、ネクタイなんて結んだ事がない。
頑張ったけど、無理だ。
「蒼、結んで見せてよ。」
‥言ってから後悔した。
まさか結んでくれるなんて思わなくて。
更に、蒼の顔が近くて、ドキドキした。
どーしたんだろ、アタシ。
やっぱ、さっき変な姿見られたからかな。
いや、別に裸だったわけじゃないけど。
「ここを重ねて、こうして‥。
わかった?」
‥全然わかんないし、聞いてもなかった。
「もう一回!」
*
そんなやりとりを数分繰り返し。
「あー、めんどくせぇ。
当日、オレが結んでやるからそれでいいだろ?」
「本当?
ありがと!」
持つべきものは使える幼なじみ♪
「ワイシャツは自分の着ろよ?
お前の小さくて着れねーし。」
アタシもブカブカだしね。
「わかったー。」