オレらのクラスは、忙しくないだろって思ってたのが間違いだった。
死ぬ程忙しいとか聞いてねーよ。
飲食物を扱うための申請、代表の集まり‥。
クラスの方にはほとんど顔を出してない。
ホストも嫌だけど、女装も嫌だ。
極力避けたい。
そんな事言ったら、葵に殴られそうだけど。
*
あっという間に、放課後。
っていうか、午後7時。
そろそろ、帰んなきゃな。
教室の前を通ると、
「あ、蒼と桜汰!
何か、久しぶり?」
同じクラスの男子達に話しかけられた。
「オレらのクラス、男女で制服替えてカフェするみたいだぞ。
誰かに借りとけよ!
じゃーな。」
誰に借りよう‥。
つーか、強制なのか?
やっぱ、葵か?
「桜汰は、佐伯に借りんの?」
「もちろん。
蒼は?」
だよな。
どーしよ。
「あ、蒼!と、桜汰も!」
葵と佐伯が後ろから来た。
今日は、別行動だったから代表の集まり以来か?
「あ、六花。
制服貸して。」
「なんで?」
この会話だけ聞いたら、ただの変態だろ。
葵、若干引いてるし。
「聞いてねーの?
オレらのクラス、男女の制服替えてカフェするって。」
「そうなの?
あたしには、桜汰が貸してくれる?」
「いーよ。
あ、蒼と葵じゃーな。」
いつの間にか、分かれ道まで来てたみたいだ。
「おう。
じゃーな。」
「またね。」
‥。
「‥ねぇ、蒼は誰に借りるの?」
「いや、まだ決めてないけど。
葵、貸してくれんの?」
「いーけど。
蒼も貸してくれる?」
借りんなら貸すし。
「あ、着れるかな。」
結構、オレと葵じゃサイズ違う。
葵、色々小さいし。
「家帰ったら、着てみたらいーんじゃない?」
「そーだな。
さっさと帰ろうぜ。」