オレらのクラスは、忙しくないだろって思ってたのが間違いだった。

死ぬ程忙しいとか聞いてねーよ。

飲食物を扱うための申請、代表の集まり‥。

クラスの方にはほとんど顔を出してない。

ホストも嫌だけど、女装も嫌だ。

極力避けたい。

そんな事言ったら、葵に殴られそうだけど。



あっという間に、放課後。

っていうか、午後7時。

そろそろ、帰んなきゃな。

教室の前を通ると、

「あ、蒼と桜汰!
何か、久しぶり?」

同じクラスの男子達に話しかけられた。

「オレらのクラス、男女で制服替えてカフェするみたいだぞ。
誰かに借りとけよ!
じゃーな。」

誰に借りよう‥。

つーか、強制なのか?


やっぱ、葵か?

「桜汰は、佐伯に借りんの?」

「もちろん。
蒼は?」

だよな。

どーしよ。

「あ、蒼!と、桜汰も!」

葵と佐伯が後ろから来た。

今日は、別行動だったから代表の集まり以来か?

「あ、六花。
制服貸して。」

「なんで?」

この会話だけ聞いたら、ただの変態だろ。

葵、若干引いてるし。

「聞いてねーの?
オレらのクラス、男女の制服替えてカフェするって。」

「そうなの?
あたしには、桜汰が貸してくれる?」

「いーよ。
あ、蒼と葵じゃーな。」

いつの間にか、分かれ道まで来てたみたいだ。

「おう。
じゃーな。」

「またね。」

‥。

「‥ねぇ、蒼は誰に借りるの?」

「いや、まだ決めてないけど。
葵、貸してくれんの?」

「いーけど。
蒼も貸してくれる?」

借りんなら貸すし。

「あ、着れるかな。」

結構、オレと葵じゃサイズ違う。

葵、色々小さいし。

「家帰ったら、着てみたらいーんじゃない?」

「そーだな。
さっさと帰ろうぜ。」