仮入部から二週間がたった。

今日から、本入部だ。


葵曰く、結局残ったのは女子7人、男子6人らしい。

例年より、ちょっと少ない。

多分、筋トレとか外周がキツくて辞めた奴がほとんどだろ。

アイツら、容赦ねーな。


あと、女子はオレらがやっぱり来ないってわかったからかもしれないけど。

佐伯とか他の3年が言うには、初日から葵が素を出したのも原因の一つだと言っていた。



「「お願いしまーす。」」

オレと、桜汰は久しぶりに最初から部活に参加した。

「あ、先輩たち。
最初からとか久しぶりですね。
袴姿、久しぶりに見ますもん。」

最近、途中参加だったから袴とか着てなかった。

久しぶりに着ると、ちょっとキツく感じる。

「だって、葵が出てくんなって言うんだからしょうがねーだろ。」

2年が笑う。

「お疲れでーす。 笑」

‥お前ら、あとで締める。

「あ、蒼と桜汰。
1年、紹介するから来て。」

ちょっと離れたところから、葵に呼ばれた。

オレ、別にどーでもいいんだけど。

女子は名字しか覚えないし。

まぁ、一応行くか。

あとで、めんどいし。

「えーと、蒼と桜汰は幽霊部員的なこと言ったけど、実際は真面目に部活来てるから。
じゃあ、端から自己紹介して。」

1年は唖然としている。

まぁ、予想通りの反応だな。


1年の自己紹介がやっと終わり、オレらも軽く挨拶した。

桜汰は、笑顔で接している。

向こうで、佐伯が心配そうな顔してんだけど。

つーか、名前聞いたけど、イマイチ定かじゃないし。

名字被ってると、困るんだけどな。

まぁ、呼ばなきゃいいか。



ー部活中

めっちゃ見られてる。

うぜーな。

イライラして、射に集中できねー。

ーパシッ
ーヒュッ
ーパンッ

中り。

ーパシッ
ーヒュッ
ーガンッ

的枠。

あー、イライラする。

「蒼、顔怖いよ?」

多分、顔に出ていたんだろう。

桜汰に注意された。

そのとき、

「1年女子、集中して。
よそ見しない。
そろそろ、外周行ってきなよ。」

ニコッと笑いながら言っているが、目が笑ってねー。


「葵、ありがと。」

「別に。」

だから、お前はツンデレかよ。