夕食後

アタシは一人、部屋で悩んでいた。

まさか、蒼と碧が3ヶ月ウチにいるなんて。

碧はいいけど、蒼もいるのはまずい。

女子にバレたら、確実にヤバイ。


まぁ、アタシの友達には蒼を狙ってる子はいないし。

碧は、中学校だから大丈夫。

あとは、翠か。

同じ高校だし、口止めしとかなきゃ。

ーコンコン

「翠。
話したいことあるんだけど、いい?」

「いーよ。
なに?」

ーガチャ

中には、蒼もいた。

気にしないけど。

邪魔しなければ。

「あのさ、蒼がウチにいること誰かに言っちゃ駄目だからね。
言ったら、殴るよ。」

脅しといたら、変なこと喋んないでしょ。

翠が口を開く前に、蒼が口を開いた。

「えー、喋ればいーじゃん。
そーすれば、寄ってくる女も減るし。」

この男は!

バカかマジで。

「アタシが、女子に目をつけられたらどーすんの!」

アンタのファン怖いんですけど。

「そんときは、オレが守ってやるよ♪」

は?

一瞬、なに言われてるかわかんなかった。

「‥却下。」

「つまんな。」

面白くても困るわ。

なんで、こんなに気まぐれなわけ?

絶対、いざとなったら守ってくれない。

と思う。


だって、アタシのこと嫌いだもん。

だいたい、幼なじみなんて自分の意思でなるもんじゃない。

親が、友だち同士だったから。

家が、隣り同士にだったから。

たまたま、同い年だから。

偶然を挙げたら、キリがないくらいだ。

幼なじみなんて‥。

友だちより、もろい絆じゃないか。


変なところが妙に冷めてて、自分自身嫌になる。

「葵?
どーした?」

いつ離れていってしまうかわからない、目の前の幼なじみ。