なぜかホッとした。
蒼のこと、狙ってるわけでもないのに。
でも、蒼も一緒で良かった。
「だって、蒼もまだなんだと思って。
安心した。
もうヤってる子とか周りにいるし。
でも、蒼もまだなら焦んなくてもいーや。」
「そーかよ。」
「うん。
早く弓道場行こ?」
「おう。」
*
「「お願いしまーす。」」
あれ?
開いてる。
「はよ。
今日は早いんだな。」
「あおいー。
おはよー。」
同じ弓道部で、3年の
久世桜汰(くぜ おうた)と
佐伯六花(さえき りっか)だ。
共に、同じクラス。
「おはよ。
今日は、朝練したかったし。
蒼、的つけてきてー。」
「へいへい。
桜汰行くぞ。」
「オレもかよ‥。
蒼、オレの分も!」
「無理。
行くぞ。」
蒼は、桜汰を掴んでズルズルと引きずっていった。
「「いってらー。」」
アタシと六花は緩く送り出した。