「蒼!
今日から三年生だよ?
起きて!」
んー、まだ眠ィし。
つーか、勝手に部屋入ってくんなよ。
この色気のない起こし方は葵か?
「ブツブツうるさい。
早く!」
布団を剥がして、叩いてくる。
あー、もう、うざったい。
「へいへい。
起きればいーんだろ、起きれば。
‥着替えるけど、出てかないの?」
キョトンとした顔で、葵は平然と答える。
「は?
蒼の裸とか見慣れてるし。
気にせず、着替えていーよ?」
‥そーかよ。
いつんなったらオレのこと、男として見てくれんだよ。
恋愛対象とかの意味じゃないけど。
負けてるような気がしてイラつく。
「あ。
ねぇ、昨日発売の漫画買った?」
「んー、机の上。」
「じゃ、漫画読んでるから。
早く着替えてー。」
そう言って、葵は漫画を読み始めた。
こいつ、神崎葵はオレの幼なじみ。
保育園の頃から一緒で、ずっと同じクラス。
もはや、くされ縁としか言えない。
更に、親同士が高校時代からの友達らしく、家まで隣同士。
んで、オレの部屋の窓から見える部屋は葵の部屋。
だから、よく窓からお互い出入りしてたりする。
よく、付き合ってんのとか言われるけど、そんな関係じゃない。