「なぁ、オレの秘密ってなんなの?」

「知りたい?」

すげー知りたいし、気になる。

「教えてあげようか?」

「教えて?」

「ジュース奢ってくれる?」

ジュースぐらいで知れるなら、買ってやるよ。

自動販売機でジュースを買ってやった。

ついでに、自分の分も買って、二人して歩きながら飲んだ。


「あのね、蒼って童貞なんでしょ?
佐保さんが、女の子と付き合ったこともないから意外とチキンなんだって言ってた。
本当なの?」

ブッ、オレはジュースを吹いた。

「は、はぁ?」

いや、確かに童貞だけど。

顔ばっかにつられて寄ってくる女が嫌で、相手なんかしたことなかった。

つまり、付き合ったこともない。

要するに、キスもまだだし、その先もまだ。


「ねぇ、どうなの?」

「あぁ、本当だよ。
悪いかよ。
つーか、好きでもない奴とヤりまくってるよりいーだろ。」

「ふーん。
蒼もまだなんだ。
良かった。」

バカにされると思った。

周りは何故か、オレに限ってそんな事はないと思っているらしい。

まぁ、さすがに知識だけはあるんだけど。

「なにが良かったんだよ?」