「中学2年だったかな……モデルとしてそこそこ売れ始めた途端に手のひら返したように
あいつは俺を必要としてきた」
今まで俺のことを邪魔で自分の幸せを壊す悪魔だと罵っていたのに
金を持った途端母親面
目当ては俺ではなく俺の所有する金
分かりきっていたことだが腹ただしい
「ね?俺は汚い」
「あんた…………」
詩或はいつもと変わらぬ表情
「馬鹿じゃないの」
予想外な返答に面食らった
「え?」
「あんたが汚い?何処が。むしろ可哀想よ」
「可哀想?」
「愛を知らない」
詩或の口からそんな言葉が出てくるとは夢にも思わなかった