怒りで頭で考えるより先に身体が反応し

男に殴りかかった途端




「………………え?」




俺のマヌケな声が響いた





「嘘……」




母親も青ざめてる




何故なら

男が気絶したから

いや、正確には




「さっきから勝手に話進めんな。クソが」




詩或が見事な回し蹴りを男にヒットさせたから





忘れてた

詩或ってすぐ手か出る子だった






しかも強い






「詩或さん…………あのきちんとお話しますので今は部屋へ行っていただけますか?」

「…………やだ。命令すんな」

「これは命令とかじゃ…………むしろお願いです」







母親は俺達のやり取りを黙って見てる