「とにかく!!帰れ!!」
「そんな身体でどうするつもり」
「どうもしねぇ」
「何を隠してるの?あの女の人は誰?あんたとの関係は?」
詩或に知られたくない
あんな奴が母親だと
俺にもあいつの血が流れていると知られたくない
「頼むから…………帰れ」
「嫌だ」
「詩或!!」
怒鳴った直後
「へぇ…………彼女が大切な子?」
あいつとあの男が玄関を開けた
サァーっと血の気が引く
やばい
詩或だけは守らなければ
「架也が言うこと聞かないなら私だって考えがあるよ?」
「詩或には手を出すな」
「それはあなた次第」
「………………分かった。金は出す」
「そう?」
詩或はことの状態が掴めないようで俺をジッと見つめる
詩或が何もされなければそれでいい
汚したくない
詩或は心も身体も綺麗で俺は汚れているから