あいつと会っていた時のどろどろした気持ちが嘘のように晴れる
「詩或一緒に寝よう」
「世瑠」
「俺と寝ようね。架也くん」
「まじっすか」
ここにいると忘れられる
ずっと続けばいい
あいつのことなんか思い出さず
楽しく
詩或達と
「架也~なんかお客来てる」
「客?」
「女。学校でお前のこと探してた女」
まさか…………
「いないって伝えて」
「えー」
「一瑠」
「…………分かったよ」
一瑠は文句をいいながらも玄関に向かった
あいつは全て調べているんだ
俺の家
詩或との関係
だからここにまで来た
逃げる術はない
くそ…………
何で
あいつは
俺を苦しめるんだ
もう無関係だろ
母親だと思ったことは1度もない