「里倉……っ!」

「わっ?!」


 俺は里倉を抱きしめた。

 きつくきつく、離れないように。


「悪かった……!」

「寺本くん?!」

「俺っ、てっきりキスしちまっているもんだと……。里倉が他の男のところに行っちまったもんだと……勘違いして……」


 いまさら謝ったって、許してはもらえないかもしれないけれど。

 でも、謝らずにはいられなくて。

 俺はひたすら謝った。