「愛美ちゃんの彼氏でしょ?冷たいって噂の。あっ、今は元・彼氏だっけ?」

「っ」


 間違いではない。

 現に俺は里倉に冷たくしてしまっていた。

 しかしその理由は目の前の先輩にある。

 怒りに身を任せてしまわぬよう、ただジッと先輩を睨みつける。

 先輩はニコニコと微笑んだまま、ぺらぺらと好き勝手を言っている。

 そろそろいいかなー……。


「先輩、もういいですか?いい加減、聞き飽きたんですが」

「なっ?!」


 先輩の血が、一瞬で頭にのぼったのが分かった。