「五十嵐奏(いがらしそう)の面会に来たのですが…。」



「五十嵐さんね。204号室よ。」



「ありがとうございます。」



受付の優しそうなお姉さんがソウの病室を教えてくれた。



ここは病院なのを忘れ、あたしは階段をかけ上がった。



小さな男の子に走らないように看護師さんが注意してるのを見てハッとしたくらいだ。



204号室につきあたしは行きを整えノックした。



「はーい。」



中から小6の頃よりもうんと低くなったソウの声が聞こえてきた。