「38,5」



この数字があたしに現実をつきつけた。



熱がある。



そう思うといきなり怠さが増して、あたしはもう一度ベッドに倒れこんだ。



「ユイ、そろそろ起きなさい!って、あんた顔が真っ赤じゃないの!」



いつもの時間に起きてこないあたしに気付きやって来たお母さんは、とてもびっくりした顔をしている。



「うん…。熱あった…。」



「そうなの!?今日、お母さん居ないけど後で病院行ってきなさい。」



「うん。」



あたしはそれだけ言うと、ゴロンと横になり夢の世界へ運ばれていった。