睦杜ちゃんの答えを遮る様に、明るい能天気な声が響き渡る。


「想兵、アンタもう少し静かに教室入って来いって何回言わせんのよっ!!」


「まぁまぁ、いいじゃん。これが冴城なんだからさ」


A組の皆が、教室の前の扉から入って来た男の子に色々言っていた。


どうやら今の声の主はあの男の子で、周りのセリフから察するに……彼が冴城 想兵君………?


「栞ちゃん、あの人が冴城君だよ」


睦杜ちゃんがポショッと私に耳打ちしたと同時に、冴城君が私達の方に駆け寄って来た。


ええっ!?ど、どうして冴城君こっちに来るのっ!?