そりゃ私達自身も家で制服交換してカツラ被った後は、こんなにも瓜二つになるんだと思ったけれど――――…まさか同じクラスの人が誰も気づかないとは。


「でもちょっとホッとしたかも………」


誰にも聞かれない様に、溜め息混じりのウルトラ小声で囁く。


チラッと時計を見ると、光はもう教室に入ってる頃。


“バレたらケータイにメールする”と光と決めていたが、私のケータイは無反応……って事は光も誰にもバレなかったのね。


「栞ちゃん、光の席ここ!私の後ろだから!」


一息ついてから睦杜ちゃんに促され、光の机の上にカバンを置いた。