ああもう最悪だ。


この人は私と光の入れ替わりの事等何も知らないのに、そもそも光に双子の姉がいるって知らないから、私の存在すら知らないのに。


いきなりこんな事言ったって冴城君にとっては意味不明なのに、止まらない。


“私がアナタを好きなのに、なんでアナタは光が好きなの”


“お願いだから私を見てよ”


私利私欲にまみれた感情が全身を駆け巡って、涙が次々と頬を伝う。


「うぇっ!?ちょっと田薮…!?」


これ以上この場にいたら、もっと彼に醜い所を見せてしまうかもしれない。


私は勢い良く図書室を飛び出していた。