つまりこの人は私を“光”だと思い、私に好きだと言っている。


そうだ。思い出した。


顔赤くしてモジモジしてた冴城君が、誰かに似てた気がしてたのは―――…


昨日の萱嶋君と、全く同じだったからだ。


萱嶋君と同様、冴城君も………光の事が好きなんだ。


私……“栞”じゃなくて。


「なぁ…お前は「――――っ、離してっ!!」」


残酷過ぎる現実に気づいた私は、両腕に有らん限りの力を込めて冴城君を突き飛ばしていた。


いきなり突き飛ばされて踏ん張れなかった冴城君は、いとも簡単に3、4歩私から離れた。


「田、田薮?」