ん……?なんか冴城君の姿が、誰かとダブって見える………


誰だろう…?つい最近、よく似た人を間近で見た気がする。


「誰だっけ………う~~~ん……」


自分1人にしか聞こえない位の小さな声で、記憶の糸を辿る。


その間も冴城君はソワソワしまくっていて、私が冴城君とは関係無い事を考えている事には気がついていないみたいだ。


「………よし」


15秒程そんな時間が続き、不意に冴城君が何かを決心したかの様な声をあげた。


ソワソワもしなくなり、キッと私を見据える。


「田薮」


「何?冴城君」


――――グイッ!