なんかこのシチュエーション、朝冴城君に話があるって言われた時と似てるな。


あの時も私机に向かって座ってて、その右隣から立った冴城君が私を見下ろしてたっけ。


「えっと……その………」


ハテナを飛ばして首を傾げると、大分歯切れの悪い声を出す冴城君。


更にハテナの量を増やして見つめると、誰もいない本棚の方を向き出した。


「冴城君、そこには誰もいないよ?」


とりあえず私もイスから立ち上がり、冴城君と向かい合ってみた。


珍しいなぁーー、活発な冴城君がこんなにどもるなんて。


私、初めて見たかもしれない。