頭の中に野麦さんの顔を思い浮かべて、心の中で深~~く頭を下げる。


「じゃあ数学勉強しよっか。今日で最後だし、きちんと勉強しなきゃ」


そう言って、体を机に向かい直した時だった。


「あ、田薮!朝言ってた話を、先に聞いて欲しいんだけど!!」


「えっ……?」


なぜだかかなり焦った様子の冴城君が、カツカツと足早に私の傍までやって来た。


は、話を先に……?勉強は後でって事?


「い、いいけど………どうしたの冴城君?なんか今日様子変だよ。昨日も変だったけどさ」


呆気に取られながら、私を見下ろす冴城君を見上げた。