思い出し怒りで手を握りしめていると、気づかない内に光のシャーペンを真っ二つに折っていた。


「まっ、いっか」


責められたって怒りで言い返せば、昨日土下座して謝ってきた光は言い返せない。


「し、栞ちゃん?なんか今後ろから寒気したんだけど……」


「え?睦杜ちゃん大丈夫?風邪じゃない?」


「―――田薮」


………え?


黒栞を抑えつつ睦杜ちゃんと会話していると、右横から名前を呼ばれた。


目線を睦杜ちゃんからそちらに移すと――――…


「さ、冴城君!?」


「あのさ……昨日勉強会出来なくて、マジごめん」