冷や汗を拭っている内に、睦杜ちゃんの試合が開始。


――――パーン!


実は睦杜ちゃんも引退しちゃったけど女子テニス部だったので、かなりテニスは上手い。


「おーー、小早川やるなぁ」


「当ったり前だろう。オレの彼女だぞ」


「………いちいちノロケんなよ、お前は」


「で、でも本当に睦杜やるねぇ!!」


試合はもちろん睦杜ちゃんが勝って、女子第3試合はとうとう私の番。


「次、光だよ」


「うん。行ってくる」


いい汗をかいて笑顔の睦杜ちゃんに返してコートに行こうとすると、冴城君が……


「田薮頑張れ!」