「俺のこと考えてたのー?」
そうよ、あなたのせいで頭がこんがらがってき―――
―――え?
ふと顔を上げると目の前に笑顔で立っている知った顔があった。
……そ、そうだ。
彼は『幽霊』なのだ。
どこにいてもおかしくない……
「どう?びっくりした?」
あたしは周りに気づかれないように小さく頷いた。
「幽霊って便利だね~。移動とかすごく楽だし!」
なんでここに来たのだろう……
「えっとね、琴美さんについて行くためだよ~」
なんであたしの考えていることが……!!
「琴美さん、顔に出やすいって言われない?すごく分かりやすいよ」
ニヤニヤしながら言わないでほしい……