あたしは電車通学なので、一本乗り遅れると遅刻スレスレの時間になってしまう。


幸いにも、電車には間に合うことができほっと一息ついた。


…………駆け込みだったけど。


それにしても、さっきの悠輔という少年はなんだったのだろうか?


ふと思い返してみると、色々と疑問が湧いてくる。


なぜ初対面であるあたしの名前を知っているのか。


彼が着ていたものは、学ランだった。


あたしたちの学校はブレザーなので他校生だ。


しかし、この付近で学ランの学校といったら……


――――――所謂、ヤンキー校だ。


さっきの人はそんな感じはしなかったし、もしかしたら中学生なのかもしれない。


だが、そうだとしてもなぜあたしを……?


疑問が次から次に出てきて頭がパンクしてしまいそうだった。


「はぁ……。」


自然とため息まで出てきてしまう。