地獄に戻った白露。
被衣を脱ぎ、獄卒の顔をする。
「お!戻ったか!」
仕事を頼んだ三つ目の鬼が白露を見つけ、近寄ってきた。
その手には亡者の足が握られている。
引きずられている男の亡者。
「これからこいつに責め苦を与えるんだが、手伝ってくれないか?」
「良いだろう。この男の罪は?」
生前犯した悪行により与える罰が異なる。
白露は準備のために尋ねた。
「強姦だよ。こいつは“悪見所(アッケンショ)”に堕とされたんだ」
悪見所とは、他人の子を誘拐して虐待、特に性的虐待をしたものが堕ちる地獄のことだ。
「わかった。なら、銅を煮立たせた大鍋が必要か…」
「それは俺が用意する。お前はあっちを頼む」
「あっち、とは…?」
そういえば鉄の棒も必要か、と考えていた白露は同僚に笑われた。
「子供のことだ!こいつの子供!」
ここで白露は己の阿呆さ加減にやっと気がついた。
「白良!!!!」