「違っ…」
「まだ言うか?」
白露は力任せに片手で椿の首を締め付けた。
「やっ…め…!!」
「正直に吐けばやめてやろう」
とうとう彼女は涙目になって答えた。
「言、うか…ら!!」
その言葉に白露は手を離した。
「ゲホッ、ゴホッ…そうよ。私が、殺した。これで満足!?」
「なぜ殺した」
椿は白良の前とは打って変わった態度を見せた。
「だって、正当防衛でしょ!?私は酒に酔ったあいつにいきなり襲われたのよ!?」
ならば石を投げられた白良は正当防衛で椿の両親を殺す権利がある。
そう思った白露だが口には出さなかった。
「ちょっと夜外に出た時、捕まって犯されて…。終わった後に怒りであいつの顔をめちゃくちゃ石で殴ってやったわ!そしたら、死んだ」
熱っぽく語る椿。
「恐くなったけど、顔の黒子を見て白良の父親だって気づいて…利用することにしたの」
「利用?」
「そう。私、和矢が好きなの。でも和矢はあの子のことが好きみたいだったから…」
「白良を村から排除するために、死体を隠したのか…」
「そうよ!騒ぎになって、あの子が親の責任背負って追い出されれば良かったのに…!」
「計画は失敗か…醜い女よ」
鼻で笑う白露。