「あの…本当にこのまま寝るんですか…?」

現在、就寝前。

一つの布団の中にいる白良と白露。

なるべく彼女の傍にいて、己の異変の原因を知ろうと試みている彼が無表情で白良の布団の中に侵入してきたのである。

夜になって戻ってきた千尾丸は相棒の変わりように溜息をつきつつ、今日も収穫なしという報告をした。

今は遠慮して、少し離れたところで寝ている。


「案ずるな。何もせぬ」


ただ抱きしめるだけ。

己の腕を白良に回す。

すると、トクンと心臓の跳ねる音が耳に伝わった。

その感覚は、なんとも穏やかで心地好い。

白良も安心したように目をとろんとさせている。

眠いのだろうか。


「おやすみ…白良…」

地獄にいる時には絶対に発しない、柔らかな声。

「はい。おやすみなさい…白露…」


二人はまどろみ、眠りについた。