しかし、見た目に騙されてはいけない。
彼は地獄の獄卒なのだ。
この八大地獄で最も残酷な鬼として、白露の名は有名だった。
そう、同じ獄卒仲間でさえ恐れてしまうほど。
「わーかった!そんなに言うならお前の分も仕事しといてやるから!」
「恩に着る」
「全く…。本当はいけないんだぜ?ま、お前に逆らったら後が恐いからな。黙っといてやるよ。保身のために」
両目の他に、眉間にも眼球がある三つ目の鬼がそう言って笑った。
その片手には真っ赤に焼けた鉄の棒を持っている。
おそらく、これから亡者を拷問するのだろう。
「頼んだぞ」
白露も綺麗な笑みを浮かべてから仲間に背を向け歩き出した。