表情に陰りを見せる白良。

話題が良くないことを悟り、和矢が慌てて明るく言った。

「でもほら、まだ白良のお父さんが事件を起こしたって決まったわけじゃ…」

「じゃあ、かず兄は椿が嘘ついてるって言うのか?」

宗二の指摘に和矢は困った。

「そうは言ってないよ。ただ、見間違えって可能性だってあるさ」

白良の立場を悪くしないよう、必死な和矢。

そんな彼に、白良は感謝の気持ちを涙で届けた。

「もう、良いよ。庇ってくれて、ありがとう…和矢くん」

涙腺が脆い白良。

勝手に溢れてくる雫を意識では上手く制御できない。