「こんばんは~…」

小さな事務所。
タバコ臭い部屋。
それが、最初の印象。

「いらっしゃい。そこに座って。」

そう言いながら、
あたしを迎えてくれたのは、
40代前半くらいの男性だった。

「履歴書見せて。」

「は、はいっ…」

しどろもどろになりながら
履歴書を渡す。
その人は、履歴書に軽く目を通し、
顔をあげた。

「8時くらいまで出れる?」

学校には8時40分までに
いかなきゃいけない。
正直言って…キツい(笑)

でも、なぜか、
ここを逃したらいけない…
そんな気がして、あたしは承諾した。

「はい。なんとか…大丈夫です。」

「じゃぁ…また連絡します。」

「ありがとうございました。」


そう言って、事務所を後にした。
自信は、ない。
あたしは大きな溜め息を1つ、ついた。